英国喜劇リトレイス

時計の上に座っていた人影。
あの笑い声は今も耳に張り付いている。

「そう。でもまだ死んじゃったら困るんだよ。だからこうやってここに連れてきたの」

「何?」

ロシュは俺たちのクローバーを取り出した。
そして、ホールの中心に立つ。

「古の光を閉ざした岩戸を今開かん――」

雰囲気が、一変した。
クローバーは淡く明るい光を持ってロシュの周りに浮かぶ。

俺は思わず、唾を飲み込んだ。

「――南には“剣”を。その鋒(きっさき)は守護の矛となる」

レイモンドの体が浮いて、移動する。
着地したレイモンドの目の前にエンブレムが、ピタリと止まった。