「「はぁ!?」」 「え、“俺様”じゃなく?」 「指差すんじゃねぇよディズ」 跳ねた髪の毛を揺らして小首を傾げると、 「ホントだよ」 と言った。 「だって君たちを瞬間移動させたでしょ?」 ……まあ、確かに。 「それに、こんなのも効かないよ」 ロシュが片手を払うとパキン、と音がすると一瞬、見えなかった木の根が砕け散るのが見えた。 「……」 セルマの魔法が砕かれたんだ。 俺たちは、未だに半信半疑でロシュを見ることしか出来なかった。