英国喜劇リトレイス


その瞬間、景色が一気に変わった。

「!!」

「……」

大勢いた兵士はどこにもいない。

「なっ!」

それどころか、潮風も海も見えない、屋内。

「嘘だろ、な…だってここは―」


俺たちの家、城の玄関ホールだった。

「何が起きたんだ!?」

どっからどう見ても城だ。

「そんな…あり得ません」

レイモンドが、反射的にモノクルを上げた。

見てみれば、俺とセルマ、レイモンドにエルヴィス、イアン、そしてこの騒ぎで目を覚ましたジュダスがいた。

「ちょっと移動しただけだよ? ボクの力でね」