ロシュはにこやかに笑ったまま、人形のように起こされたジュダスの首に手を伸ばした。 「てめっ、何を!?」 「大丈夫だよ」 兄貴が、殺される!! 切り裂く音が聞こえて、兄貴が倒れた。 「兄貴ッ!!」 「だーかーらー、」 気付けばロシュは俺の真横にいた。 「大丈夫だって言ってるじゃん?」 ロシュの手が、俺の右手に伸びる。 「クソッ」 「無駄だよ」 切り裂く音。 ……痛く、ない? 「なんだ?――くっ!?」 ズンッ、と体がさらに重くなる。