英国喜劇リトレイス


「ぐっ…」

顔をしかめて立ち上がったところを狙って懐に入り、連続で斬撃を繰り出す。
ジュダスの腕や手に着けた防具が砕けて散っていく。

「っあ、」

ジュダスがよろけた。
そこを狙ってもう一度振りかぶる。
が、脇腹に熱が走る。

視線を下げると、柄を短く持ったジュダスの刃が今度は心臓を狙って襲いかかる。

「チッ――のわっ?」

下がろうとしたら足を払われた。
視界がぐるりと回り、仰向けに地面に落ちた。

「怒り、か。何に対してだ? そもそも、俺様に何かあったという話に信憑性はあるのか?」