言葉が出なかった。
呆然としている俺を差し置き、これかぁ…、と無遠慮にイアンは刻印を覗いた。

「首になんか異常は?」

「ない」

「前になんか変なことはあったか?」

「……」

「おい」

「ありましたありました! だからそんな怖い顔すんなって!」

「いつ、どんな風に?」

「力を使った時。ズキッて」

「……」

俺に喋れ言ってお前はだんまりか!

「…じゃあ、とりあえず力使うのはしばらく止めよう」

「………」