英国喜劇リトレイス


「先に寝ててもよかったのに」

「バカ。主人より先に寝るわけないだろ。だったら寝てろって命令しとけ」

「んな理不尽な」

笑って座ると、イアンは弓を置いて俺に向き直った。

「……どうしたよ、そんな怖えー顔して」

「怖い顔もするさ。セルマから聞いた。………何で黙ってた」

「何のことだ?」

それでもイアンはじっと俺を見つめている。
少し躊躇うように瞳を揺らして口を開いた。


「お前……命危ないんだって?」

「は!?」