ロシュはまたにっこりと笑って頷く。
「こないだまで側近やってたんだよ? ちょっとスゴくない?」
「凄いというかなんというか……ではロシュ、貴方はどうしてこんなところに行き倒れていたんです? 兄さんはアイルランドの筈では?」
するとロシュは腕を組んで唸った。
「よくわからないんだよね。色々やってたら、皆とはぐれちゃって。どうしたらいいか教えて欲しいかも」
と、小首を傾げる。
それが人にものを頼む態度か!!
ため息をつくと、レイモンドが手招きをしている。
「何だよ?」
出来る限りのヒソヒソ声で聞く。



