英国喜劇リトレイス

触って見るが、違和感はない。


おかしいな…あんなに痛かった筈。

「これを見るといいんだよ」

知らない奴が、俺に鏡を手渡した。

「サンキュ―――ってえ?」

映る俺の首に、見慣れない模様が鎮座していた。

「なにこれ」

「僕たちが聞きたいですよ。一応、今まではこれが守ってくれていたみたいですね」

そう言ってレイモンドは、俺のブレスレットを俺の手に落とした。

「ちゃんと効いてたんだな…」

「そりゃそうです。僕にも効果ありますから」

レイモンドは、服に縫い付けられたエンブレムに目を落とす。
レイモンドのクローバーはそこにあるのだろう。