それでカチン、と来るのは俺たちを取り囲む敵・議会派な訳で。
おまけに奴らは『王族の統治が気に入らない』って言って戦争起こして。
俺たちの三人中二人はバッチリ王族な訳で。
そんな憎きかっこうの獲物が来いよと煽っている訳で。
プッツン!
「貴様ッ……舐めるなぁ!!」
誰かの叫びが皮切りになり、一気にレイモンドへ飛び掛かった。
しかし――
「うわぁ!」「ぐっ!」「がぁ!」
レイモンドの剣捌きで、数人が宙を舞った。
「す、スゲー…」
それしか言えない。
こともあろうに、レイモンドは両目を閉じて戦っていた。
左右で視力の違うままでは距離感が掴めない。
だから、気配だけに頼って戦っている。



