英国喜劇リトレイス


せっかく人が元気づけてやろうと思ったのに。

「ディゼル」

レイモンドに呼ばれて向き直れば、兄貴はもう軍人の顔をしていた。

「あなたは、なるべく僕の側から離れないで下さい。ここで下手をうって死んでもらったら困りますからね」

「……ああ」

「あと、イアンを貸して下さい。弓兵の戦力に」

「え? あいつらも参加するの?」

間抜けな顔だっただろう、何を、と顔をしかめられた。

「当たり前です。一応言っておきますが、あなたもれっきとした戦力ですからね」

「わかってら!!」