ロンドンまでもう少しだっていうのに、まさかここで内乱にぶつかるとは思っても見なかった。 「僕たちの移動が、ロンドンへ進軍しているように見えたのでしょうね」 「無理もないな。軍隊の移動なんて侵略してるようにしか見えない」 レイモンドの冷静な分析にエルヴィスも頷いた。 声は落ち着いているように見えるけど、レイモンドはモノクルをいじり、エルヴィスは手袋をした手を固く握りしめている。