英国喜劇リトレイス

目を閉じて、暗闇に身を任せると、また意識がふわりふわり。


『遅いぞディズ!!』


誰かが呼んでる。

俺は頭を持ち上げ、周りを見る。

城の庭。
広い広い庭の中で、外廊下の側にある木の下。
そこが俺のお気に入り。

今日もそこで昼寝をしてたのだが……

ボカッ!

『いってぇ!』

何すんだと振り向くと、ジュダスがニヤニヤとして俺を見下ろしていた。


『なんだよ!』

『今日は爺のミドに呼ばれてただろ。後はお前だけだ』

『あー…』


すっかり忘れてた。