「甘えてんじゃねぇよ。
自分で始めたことだ。最後まで自分で責任持て! それから俺たちを頼れな!」
「……」
ドアの音を立てて、エルヴィスは出て行った。
埃の舞った床を見つめて、レイモンドは深い息を吐き出し、気まずそうにモノクルをいじった。
「……兄さんの言ったことは、間違ってないと思いますよ。よく考えて下さい」
「……ああ」
客人がいなくなって、俺は体をベッドに投げ出した。
「…ディゼル…」
「…ッハハ、そうだよなぁ」
国が懸かってんだ。
なのに、どうにかなると思ってた。
目が滲みる。
「甘いってよぉ……ガキだよなぁ…俺はさ」



