英国喜劇リトレイス


茶番劇が嫌いとはいえ、ただ受け身なのはもっと嫌いな筈…

だとしたらこんな大人しいのは変だ。


「ディゼル、兄さんに何かしましたか?」

何かって言われても……あ。

「なんです?」

「コケたついでにこれの柄であいつの足殴ったわ」

そう言って相棒の大剣を示すと、レイモンドはあきれたような感心したような目を向けてきた。

「足とは具体的には?」

「内側の腿あたり」

あちゃー
そんな哀れみをエルヴィスに向けるレイモンド。

「なんだよ?」

「多分、その攻撃で腿幹にでもなったんじゃないかと」

「も、腿幹!?」