俺はため息をついて、エルヴィスから目を離し、レイモンドを見つめた。 「ジュダスの裏に、誰かがいるっての知ってるか?」 「誰か?」 レイモンドはエルヴィスから目を離さないまま、眉を寄せる。 俺は肩をすくめて、答えた。 「誰だかはわかんない。けど……」 「兄さんが自分から“クローバーの誓い”を捨てる筈はない、と?」 「ああ」 子供の頃の誓い。 四つ葉のクローバーを一枚ずつ分けて決めたんだ。