英国喜劇リトレイス


レイモンドは俺のすぐ上の兄貴にして剣の達人。

俺に剣を教えてくれたのもこいつ。
未だ一度も勝ったことなんてないし、この力を持った今だって、勝てるかわからない程の腕だ。


レイモンドは港に降り立つと、ゆっくりとした歩調で向かって来て、礼儀正しく頭を下げた。


「しばらくぶりです。エルヴィス兄さん、ディゼル」

「お前…何でここに?」

「君と同じですよ、ディゼル」