そのうち、エルヴィスは撃つのを止めた。


追い掛けるのは無駄撃ちと判断し、俺の陽動が終わって突っ込んでくる時に狙い撃ちしようという魂胆だ。


けど――


「見え見えなんだよ!」

勝機は俺に傾いた。


“あの”不可思議な力が――来た!!

「な、に!?」

エルヴィスは突然上がった俺のスピードに目を見開いた。

体が軽い
重いはずの剣が片手で軽々持てる!

いける!!

俺は、更にスピード上げてエルヴィスの周囲を駆け回る。

俺のスピードは目で追える速さを凌駕し、残像で出来た分身がいくつも出来上がる。