「ちが…う…」
「何が違うな!!」
俺は最後の一息に力を入れて、エルヴィスの手から離れた。
荒い息を調え、静かに真実を告げる。
「ジュダスの裏には何者かがいるんだ」
「……は?」
エルヴィスはわからないと言った顔をした。
「だって……そうじゃなかったら、アイツが俺たちの家を捨てるはずがない!」
「、っ…」
今度は、俺がエルヴィスの肩を掴む。
「アイツだって危ないんだよ!」
「…ユノ! お前まさか!」
エルヴィスがハッとして従者のユノを振り返った。
「ええ。得体の知れない空気を感じましたので、タウンハウスでなく、ここまで」



