英国喜劇リトレイス


「だったら出来ないな。俺んとこの人間を無駄死なんてさせない」

「じゃあ何で! いつまでも戦いから逃げてんだよ!」

「お前に何がわかるな!!」


エルヴィスが、初めて声を荒げた。
俺に詰め寄り、胸ぐらを掴み上げた。

「お前はわかるのか? 宗教の違いで圧迫されて苦しんでる奴らの気持ちを! それを見て革命をやめろだなんて言えるのな?」

「…な、に…」

息が苦しくなって、言葉が出ない。
掴んだ手を振って激しくまくし立てる。

「ジュダスなんか知るかよ! 勝手に俺たちを捨てたのはアイツな!」