英国喜劇リトレイス


「けど断る、な」

え。
と俺たちの動きが止まる。

エルヴィスは優雅にスコーンを口に運んで、そのままの流れで言った。


「王なんて嫌さな。何より……俺の柄じゃない」



ピシッと空気が凍った。

「あ?」

俺が聞き返すと、エルヴィスはスコーンに目を向けたまま、噂話でもするような口振りで繰り返す。

「だから、柄じゃないって。
戦争して王になるなんて美しくないからな」


ブッツン!!