鈍感な美鈴だけど…


俺の耳が赤くなってたことは………、



バレバレだっただろう。



『早く帰んぞ~…』


そう言ってまた美鈴に背を向けて歩き出す。


今度は歩きながらも
静かに腕を降ろしたまま美鈴の方に手の平をヒラヒラさせれば、


美鈴が少し恥ずかしげに
俺の隣に駆け寄って来て、


「………すきっ。」


隣にいる俺さえも聞き逃しそうな声音でそう言って俺の手を、

小さな美鈴の手が握った。


俺はその手を強く握り返して、


『俺も。』


そう言った。