君がいるだけで…[番外編短編集]

『どうかした?』


『いえ…』


決して嘘は付けないし、何もかも見透かされているような気がするのだ。


紗羅をまるで本当の娘のように思っているから絡みづらいことこの上ないし。


まぁ、悪い人じゃないとわかってはいるんだけど。


『紗羅ちゃんって何が好きかなー?』


『(そんな質問すんじゃねーよとは言えない)…紗羅は高杉さんが選んだ物なら何でも喜びますよ』


と、大人の対応をする。


『ふっ。(俺相当嫌われてそー)』


そんな俺の気持ちが読めていたのか、ちょっと口元を上げて笑った後、


『そうだよね~』


いつもの様子でそう言った。


『(やっぱり、苦手だ)』


さっさとホワイトデーの選んで帰ろ。



一哉の嘘を実はまだ真尋が根に持ってたって話。


※真尋と紗羅が結婚してからは二人は打ち解け、名前で呼び会うようになります。


《男たちのホワイトデー。真尋×一哉。end》