そんな美月に、今度は俺からサプライズをしかけようか。


『美月、俺からも、バレンタインあるんだ。』


その言葉に、はぁ?何言ってんの、あんた。とでも言うように、心外そうな顔をされた。


それを見て苦笑いしつつ、隠した紙袋を取りに行って、すぐに戻る。


『はい、これ。』


「何これ…?」


全く検討も付かないのか、首を傾げている。


『まあまあ。開けてみてよ』


爆弾とかじゃないよね、と若干失礼なことを言っている美月に微笑みながら、紙袋に入っている小さな箱が開かれるのを一緒に待つ。


「………、」


ついに箱を手に取って蓋を開けた美月は、そのまま止まった。


『ど?気に入った?』


「雅也…、急にどうしたの?」


本気で頭イカれたのか心配された。


え、俺プロポーズしたよね?


そんな変な目で見られんの?


『何って。プロポーズはしたけど、渡してなかったじゃん?』


「………」


未だ瞬きをして理解出来ていない様子。