相手はね、
小早川岳( こばやかわ がく )さん。

かおりちゃんの5つ年上で、
しっかり者のかおりちゃんがね
小早川さんの前では甘えん坊さんなんだ。
小早川さんとかおりちゃんを見ているとね、
パパとママにソックリな気がする。


だから小早川さんも、
あんなにクールにしてるけど。
2人でいる時はパパみたいに、
かおりちゃんにデレデレなのかもしれないなぁ。


「 ほのか!置いてくよ。
早く降りてきて。 」


かおりちゃんの声に私は戸締りも確認しないで一階へ急いだ。


「 ママ、窓のカギみてきてないから、お願い!
行ってきます。 」


キッチンにいたママに声をかけた。


「 みんな忘れ物ない?
特に、ほのか!大丈夫? 」


スーツのエリを直してくれながらママに言われた。

最後に玄関をでる私は


「 大丈夫! 」


ドアをしめた。

のに、
ママは私が幼稚園通ってる時から
毎日してくれるお見送りを3人が見えなくなるまで手を振っていてくれた。


みんなはどう思っているかわからないけど、
私はママがいつも見ていてくれるという安心感があった。


何かあってもママがいるからね。
ほのかなら大丈夫よ!
と言われてるみたいに。