夏休み最終日。

今日は
幼馴染みの
佐藤煌季( さとう きらり )
と久しぶりに映画を観に来てます。


だけどね…
青葉さんに似た背中を見つけて目で追っていたり、
青葉さんに似た声で振り返る。



「 ほのか?
何さっきから男を目で追ってるわけ? 」


「 そっ、そんなことないよ。
きっ、気のせいだよ。 」


私の顔を覗き込んで


「 ほのか?
私に隠し事しちゃうの?
そうなんだ…
一生私に隠してくれるなら気にしないけどね。
一生隠せるんだね、
ほのかちゃん? 」


こわい…
怖すぎる、煌季の目が!
とにかく、怖すぎる…。


「 かっ、かっ、
隠しません。
だって、好きな人がいるだけだもん。
それだけだもん。
それ以上何もないもん。
だから、
今言えることは、
これしかありません!
煌季さま、
お許しください。 」


煌季は
私のほっぺを思いっきりツネって


「 ほのかに好きな人ができるなんて、
これはお祝いしなくっちゃ。 」


「 なんで私に好きな人ができただけで、
お祝いするの?
それ意味わかんない。 」


その言葉を言い終えたときに
今日の一日の自分の行動を思い出してみた。

煌季と一緒にいるのに
私は青葉さんの姿を探していたんだと…


「 ゴメンね。煌季。 」

少し前を歩いていた煌季につぶやいた。


「 何?
ほのか、カラオケ行こうよ! 」


「 うん! 」


そう言えば煌季って
彼氏いるんだっけ?

まぁ、それは近いうちに聞いてみよう…。


一緒にいる人と楽しい時間を過ごさなきゃねっ!


「 煌季、だぁいすき! 」


「 大丈夫かぁ?
熱でもあるのかぁ? 」