かおりちゃんと
やっぱり夜会えないまま、
約束もできなかったまま朝になっていた。


「 ママ…
仕事…
昼休みに電話するって、
かおりちゃん帰ってきたら伝えて。 」


いつものようにママに手を振り一人歩き出した。

かおりちゃんがいない一人での通勤。
一人ではじめての出勤。
なんか…
こんなようなタイトルのテレビ番組あったよね?
かわいいお子さまの…。


なんだかため息が出ちゃうよ。

いつもは二人でいたから近くに感じていたバス停への道が
一人だとこんなにも遠いんだね。

なんだか悲しくなってきた。


一人になって
やっとまわりの景色が見えてきた。

混んではいるけれど、
早めの電車にしているから
ものすごく混んではいなかった。

まあ、
それなりに人はいて私はキョロキョロしといた。

いつもは
かおりちゃんにつかまっていたから
手すりの存在すら忘れていたけど…
今日はちゃんと手すりさんに助けてもらわないとね。
通勤って疲れるんだね。
かおりちゃん。