「 ほのか! 」


聖菜先輩の声がした。

私はたまらずに抱きついた。


「 今は泣きなさい。
彼には私にかくれて見えないから…
今は思いっきり泣きなさい。
そのあとは
彼の前では泣いちゃダメ!
わかった? 」


その言葉で
私は泣き崩れた。

どれくらい泣いたかわからない。

落ち着いて顔をあげると…


「 ほのか…
今めちゃくちゃブスよ。
顔を洗ってきなさい。
メイクしてあげるから。 」


私は化粧室の鏡の前にいる。
ホントにかわいくない顔をしている。


「 こんな顔してたら、
私だってわからなくって…
純平さん起きれないわ。 」



入江さんは、
笑っているのが
やっぱりかわいいですよ。


純平さんの声が聞こえた気がした。



「 はい!
笑っています。
大丈夫です。
かわいいって言われたいもん。
いつまでも大好きな人に、かわいいって…。 」


涙が流れる。
でも笑っている。

今だけ…
今だけ…

メイクを直したら
ちゃんと笑うから…
いいよね?