「血が出てますよ?」
「え?私?」
「…ほら、ここ………」
その人は、私の顔に優しく触れて血を拭いてくれたみたいだ。
「あ、ありがとう…」
「痛い?」
「痛くない」
「結構血が出てるよ?気付かなかったの?」
「気付かなかった」
痛くないから、気付くはずもない。
もう痛いなんて感覚を、忘れてしまった。
痛覚がマヒしていなかったら、今私は生きていないかもしれない。
あんな地獄耐えられない。
生き地獄って、ああゆうことをいうのかもしれない。
生きているのが怖かった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…