私は、月影梓。
今日から忍集団・月影党の5代目頭領。

16歳になった今年、前の頭領だった父が、
死んだ。

忍の死は、詳しく明かされない。
感情が揺れ、仕事に支障がでる可能性があるからだ。

私達月影党は、真田家に仕えている。
今日から、頭領として月影党を率い、真田家に仕える。

「梓様!!頭領就任おめでとうございます!」

小柄で、短い茶色の髪のくの一の少女が元気よく飛び付く。
目は二重で、くっきりした顔立ち。
一言で言えば、“綺麗”よりも“可愛い”のがぴったりだろう。

私の妹のような存在の子・風守 鈴。
いつも側にいて、私の警護をしてくれている。

「ありがとう。これからもっと大変になるよ?」

「承知です。それでも私は、梓様の傍にずっといます!」

「鈴は、本当に頼もしいね。」

私はにっこり微笑んだ。

まだ16歳だけど、腕には自信あるし、
鈴や疾風もいるしね!
心配しなくても、大丈夫!

今の私には、自信にあふれていた。

そんな私に、鈴が話しかける。
気を使っているようだ。

「あの…梓様?」

「何?遠慮せずに言って?」

「それでは…あの、忍頭(シノビガシラ)に挨拶しにいきません?」