戦国の月の影


*佐助side*

「呼んだか?幸村。」

「来たな。実は最近、村で妖の目撃情報がきているんだ。」


またか……。

ま、それが俺達の仕事だから何も言えないけど。

ここの所、目撃情報が増えている。

今までの戦力じゃ、厳しいところもあったが……


「了解~。明日にでも月影党と共に忍務に当たるよ。」

「佐助は話が早くて助かるな。」


そう。

梓が頭領についた今、月影党が戦力になる。

妖退治は速やかに進むだろう。


「何年一緒にいると思ってるんだよ?」

「ははっ。だな。」

幸村の素直な笑顔。


__幸村は絶対に守る。


……主であり、友である、俺の大切な人。

俺の宝物だな。

『佐助のバカっ!』


ふと、あいつの声が蘇る。


__俺の幼馴染み・梓。

“宝物”で連想したのが梓かよ。


俺はそんなに自分に鈍くない。

__そろそろ自分に素直になってみるか……。