戦国の月の影


「本当っムカついた!」

私は月影党の忍小屋(って言っても、屋敷に近い)の廊下にいた。

「まぁまぁ、落ち着いて下さい。」

隣には、鈴が困ったように笑っている。


鈴が困るのもわかるが、いくらなんでもあれは酷い。

佐助の馬鹿っ!


「そろそろ気持ちを切り替えて下さい。忍務を皆に伝えるんですよ?」

いつまでも怒っている私に鈴は、厳しい口調で言う。


……鈴の言う通り。

私は忍だし、月影党の長。

私の感情が揺れていたら話にならない。


そこは忍。
すぐに感情を押さえ込む。


「さすが梓様。わが月影党の長ですね。」

鈴は満足そうににこっと笑った。


そして二人の足が止まる。

………集会の場所といている、大広間のまえに着いた。


「参りましょう。」

「もちろん。」

梓と鈴は、大広間へと入っていった………。