「・・・・・・・・・・・・・帰る」


わたしは、鉛でできたロボットのように重い体を不自然に動かしながら服を着替えていく




その間、彼の姿を見ることはなかったがベッドの中で泣いているようだった・・・わたしは何の感情も湧いてこない



ただただ


その場を今すぐ離れたい


一秒たりとも同じ空気を吸いたくない


それだけだったの


「ゥ・・・・ヒク・・・」


彼の泣く声がベッドから洩れ聞こえてくる



わたしはだんだんイライラしてきた


何、泣いてるの?


泣けば許してもらえるとでも?




「バンっ!!」


壁にカバンを叩きつけて、彼の泣き声を背にわたしは部屋を後にした







HOTELを出ると外は海風が吹いてとても肌寒くてわたしは、ブルッと震えてしまう


辺りは、真っ暗で外灯の明かりが何だか心ぼそくてたまらなかった


わたしは、ぼんやりと携帯を取り出してみると日付が変わっていた







その瞬間




「グェ・・・・・・」


わたしは、突然の強い吐き気に襲われてその場に座りこんでしまった