「いちごっ!朝ごはんはどうするの?」


お母さんがあたふたしながら
台所から顔を出す。


「うん、いらないっ!
食べてたら遅刻する…って、あああ!!」


わたしは目すましテレビの恒例の番組、
今日の犬がめにはいり、
びたんっ、とテレビに張り付いた。

「いちごちゃん!
それ見てたら遅刻するんじゃないの!?」


お母さんは心配そうにわたしを見つめる。


「これ見なきゃわたししんじゃうっ!」

「いやだ!いちごちゃんも
お母さんをおいてこうとするなんて!」

「わかったよ!
もう行くからっ。

行って来ます!」


わたしはすぐさま靴を履き、
玄関を飛び出した。