まっすぐあたしを見つめる翔君に何も言えなくなる


静かな保健室には



大野先生がペンを走らせる音だけが響いて


なんだか本当に別世界みたい





翔「・・・図星か(笑)」

「・・・・・・・・・」

翔「俺さ?自分では結構、萌のこと分かってるつもりなんだけど」

「・・・・・・」

翔「違った?」

当たってるよ

・・・当たってるけど



『うん』なんて言えるわけない


だって、『なんで』って聞かれたら


理由なんて答えらんないもん




何で泣いてんのかなんて、自分でもわかんない



「・・・・・・」


ただ黙ってることしか出来ないあたしに

翔君は『ん?』って答えを待つ



「・・・ごめん」

翔「・・・・・・ぅん?」

「・・・言いたくない」

翔「・・・・・・そう」



言ったって別に困らないのに

頑なに隠してる分けは


翔君には知られたくないって心のどっかで思ってるから