「大丈夫、私もいるから」

「……ん、わかった」


と少し俯いて言えば、美宇に可愛い、と頭を撫でられた。


「でー、班分けなんだが、六人以上で五から六つの班に分かれろー」

「じゃあ俺ら決まりだねー」


と、時雨から離れて瑠色の後ろからがばっと抱き着いてきた。


「ちょ!」

「えーっと、俺と郁真、時雨と李雨と瑠色と…守谷?」

「え!守谷!?」

「え………瑠色、一緒?」


美宇の名前に吃驚(ビックリ)した郁真と、瑠色の名前に吃驚した瑠色の声が重なった。


「…え、瑠色は当たり前に一緒だろ。だから守谷もかなって。」

「新堂くん…優しいんだね」

「え、あ、いや…」


にこりと笑った美宇にたじろぐ大和はみてて面白い。

美宇に惚れちゃ駄目だよー。


「まぁ~、俺は瑠色いれば何でもいいやっ!じゃあこの六人で決ま「ちょっとまて、お前ら。」……え、李雨?」


珍しく美宇に突っかからなかった郁真の賛成の声に被さった李雨の不機嫌丸出しの声。


「俺はこいつを族にいれる気はねぇ。だからつるむ気もねぇよ。」

「お前はまだそんなこと言ってんのか。いい加減その人を毛嫌いするのやめろ。」

「うるせぇ。俺にはお前らがいればそれでいーんだよ。それに女みてぇな顔のやつなんて尚更いらねぇ。」

「李雨…。瑠色や守谷は今までのやつとは「言うな、時雨。お前でもそれ以上言えば許さねぇ。」……わりぃ。」



な、なにこのシビアな空気。

兄弟喧嘩でも始まったの?


ってかなんか今、李雨の暗い闇の部分が見えた気がした。

ひねくれて見える李雨にも、辛い過去があったのかも。

瑠色もこの性格になったのには理由があるわけだし、少し李雨に興味が沸いた。