二〇××年四月十九日、時刻は十二時四十五分。

この日の五限目はHRだった。


「…えー、五月の始めにある遠足のことを決めるぞー。」


───…そして、1-D担任の林によって爆弾は投下された。






「……瑠色休む。」


自然と出た瑠色の本音。

わぁわぁ盛り上がっている周りの声に掻き消されたが、隣だった時雨と前の李雨には聞こえたらしい。


「「…え、サボり?」」


同時に同じ二つの顔に見られ、少し挙動不審になる。


「えっ…あー、まぁ。」

「まぁ俺には関係ねぇ話だけどな。」

「………」


相変わらず可愛いげのない男だね、李雨は。


このあいだ郁真と大和が瑠色を神牙にいれたい、とか言って騒いでたときも

「はんっお前ら眼科いってこい。」

と、鼻で笑っていた。

あーあの瑠色をバカにした顔と態度、思い出しただけでいらいらする!


「そうか、お前来ないのか」

「………人いっぱい、嫌い」

「あー、人混みか。けどクラス単位で場所選べるみたいだし、みんなでいかないか?」

「…ぅ…あー…」


にこりと優しく笑いかける時雨に、きょろきょろと目を泳がしてしまう。