「それって…ルーチャンも守谷も最強じゃん」
「………最強まではいかない。潤々には勝てるかわかんないし」
「潤さんに勝っちゃ、最強超えるよ!」
驚きすぎてか、少し興奮気味の郁真に圧倒される。
潤々に助けを求めようとちらっと目をやると、その向こうに銀と深緑の頭が見えた。
──李雨と時雨だ。
そんな瑠色の視線に気付いた郁真が瑠色から離れて、李雨と時雨の名前を呼びながら駆け寄っていった。
「李雨ー時雨ーっ!俺、ルーチャンと一緒に喧嘩したい!」
「「……は?」」
少し間を置いて二人が同時に口を開く。
タイミング一緒とかさすが双子。
そして先に口を開いたのは時雨だった。
「いや、ちょ。どうした?」
「だってルーチャン、俺らが中一のときの潤さんがいる特攻隊第一部隊の五、六人相手に無傷だったんだよ?」
「は?郁真、それなんの冗談だよ。こいつがそう見えっかよ。なめてんのか?」
…李雨は相変わらず、仲間にも喧嘩腰なんだ。
てか、瑠色の言われようね。
もはや悪口でしかない。
「なめてないって!ルーチャンが強いのは、潤さんが語る事実だから!」
「え…。潤さん、それまじっスか?」
「おう。俺が気付いたときには第一部隊の五、六人、みんな伸びてたな。」
「ほらー。言ったじゃんね?」
と、かなり笑顔の郁真。
人のことなのに、嬉しそう。