「可愛い顔してるねーっ!」

「………………は?」

「わっ!冷たいな~」


そう言いつつも、嫌な顔もせずに、にこにこ笑う。


よく見たら笑顔がとても似合う、小柄で童顔な子だ。

ふわふわにパーマのかかったオレンジの髪もよく似合っていて、可愛らしいかんじだった。


「………悪かったな」

「気にしてないよっ。俺、東雲 郁真(シノノメ イクマ)。君は~?」


流石にこのままの姿勢では悪いかな、と思い姿勢を正す。


「………………瑠色。柚山 瑠色。」

「瑠色?可愛い名前っ。俺のことは、郁真でいいから」


にこりと可愛らしい笑顔で、瑠色に手を差し出してきた郁真の気持ちを踏みにじるなんて出来ずに、瑠色も手を伸ばして握手をする。



「…ほんと、今日は珍しいことだらけだぁ…」


瑠色たちのやり取りの一部始終を黙って見ていた美宇が、心底驚いたような顔で見ている。