「お前、可愛い顔だよな。さっきは睨んで悪かった」

「俺も!今日から仲良くしようぜー」


わいわいと瑠色の周りに男の子が寄ってきて、あっという間に囲まれてしまった。


な、何事っ!?

沢山の不良に囲まれたことはあっても、普通の男の子(…って言っても見た目は不良)に囲まれる、という経験がない瑠色からしたらどうしたらいいかわからない。


一人焦って、キョロキョロと美宇と涼を探してみるけど、瑠色を囲む男の子は当たり前だけど、みんな瑠色より大きい。

そのせいで、幾ら見渡しても美宇たちの姿が見えない。


……まじ、囲みすぎでしょ。


まだ瑠色を囲み、わいわい騒ぐ男の子に呆れつつも、このままって訳にもいかないから、取り合えず口を開く。


「…………あのさ、」

「うん?」


瑠色の正面にいた男の子三人が声を揃え、瑠色を見下ろす。


「……なに?」

「ここだけの話…、」


そう言ったのは真ん中にいたいかにも女の子大好きです、みたいな顔の男の子。


少し首を傾げ、その男の子を見上げ、後に続く言葉を待っていた。

その男の子は、視線を二人がいると思われる方向に向けながら右手を口元に添え、小さい声で話始めた。


「……俺らさ、美宇ちゃんと涼ちゃんと仲良くしたいんだよね。」

「…俺らも~っ!」


周りにいた男の子もいつから聞いていたのか、小さい声のまま、拳を作った片手を大きく上げていた。