「あれ、瑠色ちゃん髪の毛染めたのか?」

「ぱぱさん!ううん~、これはスプレーふっただけ。」


本当のお父さんのように優しく微笑みながら頭を撫でてくれるのは、美宇のお父さん。


「お父さん、お母さん、お久し振りです。」

「久しぶり。紫音くんも相変わらずイケメンよね!オールバックにスーツがよく似合うわぁ。」

「ありがとうございます。」

「ちょ…お母さん!」


美宇が少し恥ずかしそうにままさんの腕を軽く叩く。


「あら、いいじゃない。紫音くんも瑠色ちゃんも私からしたら、私の子供よ。」

「もぉー…」


娘の美宇でもままさんには敵わないらしい。



紫音から離れ、美宇と入学式のある体育館に向かうが、どうも生徒数が少ない。

定員は一クラス四十人が五クラス出来る、二百人。


瑠色たちは入学式が始まる五分前に高校に入ったから、体育館には二百人分の人がいるはず、なんだけど…。