「瑠色ーっ!紫音さーん!」

「ん?あぁ、美宇ちゃんか~久しぶりだね。」


瑠色たちに駆け寄って来た、キャラメルブラウンで綺麗なロングにパーマのかかった、とても同じ高校一年生とは思えない女の子だった。


──守谷 美宇(モリヤ ミウ)、小学四年生のときにここに引っ越してきた瑠色の最初の友達。

それ以来家族ぐるみの付き合いなんだよね。


美宇との付き合いは今年で七年目に入る。

毎日一緒に登校してた美宇が、これからもまた一緒に通ってくれることは、人混みが苦手な瑠色にしたらかなり頼もしい。



「…え、なに?瑠色ちゃん、ご機嫌ななめ?」

「だってぇ…」

「瑠色、ごめんって。」


紫音がよしよし、と幼い子供をなだめるように瑠色の頭を撫でる。


「…むぅ。」


そんなことされたら、許しちゃうじゃん。



「相変わらず瑠色ちゃん、可愛すぎ!」

「わわっ、ままさん!?」


がばっといきなり瑠色の横から抱き着いてきたのは美宇のお母さん。

瑠色はままさんって呼んでる。