君の名

あたしは外の世界を知らない。



生まれた頃から体の弱かったあたしはずっと病室の窓から吸い込まれそうなほど青い空を見て微かに外から聞こえる小さな小鳥の囀りを聞くことでしか外を知ることが出来なかった。


病室の窓枠から見る景色はいつも同じ。



只一つ違うのは、空が描く雲模様だけだった。


いつか外に行って、外を知って、思いきり遊んでみたい。


貴方と一緒に外へ行きたい。




幼い頃から

そう願い続けていた私に下された神様からの運命(さだめ)は私にとってあまりにも残酷なものだった…