ないものガール


とりあえず入学式に出るために体育館に移動する。

周囲を見渡すと、キャンディみたいなカラフルな頭ばかり。

女子はバッサバサのツケマツゲにパンダ同然のメイクでみんな同じ顔にしか見えない。

「(睫毛に羽根生えてるよ…)」

私のような黒髪、すっぴんは世界遺産並に貴重じゃない!?


私の場合、美容院に行ったり化粧品を買うお金なんてないからしょうがない。


始まった入学式の話しなんて誰も聞いていない。あちこちで友達作り大会が開催されている。


もちろん、地味な私は誰にも声をかけられることはない。

でも、それでいいんだ。

一生懸命友達を作っても、私と遊べないからそのうちみんな離れていく。

どんなに辛くたって1人で生きていくしかない。