「ねぇ。篠原さんって三浦先輩と付き合ってるの?」
授業中、前の席の斎藤さんが話しかけてきた。
「え?」
今まで女の子に話しかけられたことがあまりない私は
どう反応しなければいけないのか
湊のことをなんて言えばいいのか分からなくて
軽い混乱状況に陥る。
「ごめんごめん。困らせるつもりはなかったんだけど・・・」
「ううん。いいの。」
「ごめんね?私、斎藤唯っていうのよろしく。仲良くしよう」
「う、うん。私、篠原ソラです」
「よろしくね。ソラちゃん」
「う、うん」
唯はまた前を向く。
私は簡単に人を信じない。
でも少しづつ湊と過ごすたびに自分の心に変化しているようで。
ほんの少しだけど人が信じれるようになったような。
そんな気がするんだ。
