土屋の香りと目の前に浮かんでいる冷笑。

これは、土屋?

だれ?

「土屋…?」

半泣き状態に陥るあたし。
それを見て土屋は吐息をもらす。

「…泣くぐらいだったら最初からちゃんとしとけよ、ばあか!」

土屋!
さっきとは違っていつも通り。

「泣くよ…だっていつもと違うし…恐くて」

「わりわり(笑
…よく聞けよ?」

「うん?」

「俺は何があってもお前を離さないから、な?」

そう言って土屋はあたしの頬に軽く唇を付ける。

「…口にキスするのは、お前が友美と仲直りしてからな?」

なんて笑って、

「帰るぞ、美紀」


優しくあたしを呼び込んだ。