北校舎の暗い廊下。

みんなが怖がって行かない所に行って土屋は足を止めた。

「……中西さ」

聞いたことのないような低い声。

「友美となんかあった?」

……!!!

「何も」

「…じゃあ何でいつも友美1人なんだよ」

「いつもって… 友美のこといつも見てるのね」

「そういうんじゃなくて…」

「じゃあいいじゃん」

「…中西…美紀、お前どうしたんだよ」

「…別に」

「福山達とつるむようになってからおかしいぞ?」

「…は?」

土屋はあたしの腕を掴んで引き寄せ、抱きついた。

「ちょ//」

トキメクあたし。

「……友達を見捨てるってのは最低だからな。
そんなやつ俺別れたい」

そう呟いて。



普通なら好きな人に抱きつかれたら嬉しいハズなのに…

今はただただ虚しくて心が荒れてくだけ…



「俺と別れたいなら話は別だけど」

なんて黒く笑って。

その言葉と同様、冷たい手をあたしの後頭部に置き、顔を近づけて

「…別れるか!」

って冷酷に笑う。