「・・・・・・野ー、水野!」 突然 呼ばれ 心臓がはねる。 振り向くと 更に心臓が 音を立て暴れだした。 「会議の書類 完成したか?」 ムスクの香りが鼻をくすぐる。 「は、はい」 慌てて書類原稿を 彼に渡した。 ざっと目を通した彼は また、わたしに書類を手渡す。 「お疲れ様」 妖艶な唇から発せられる 艷やかな声は わたしの 心を更に きつく縛りつける。 思わず高鳴る心臓に 動揺してしまう。