篠崎は、変わった奴だった。
いつもボーっとしてて、授業中は寝てばっか。
なのに成績は良くて、何でも人並み以上にこなす凄い奴。
だけど、俺には篠崎がとてもつまらなそうに見えた。
理由はよく解からないけど。
初めて存在を知ったのは、クラスが一緒になってすぐのコト。
それまでも名前は噂で聞いていたし、
見かけたコトがない訳じゃなかったけど、
顔と名前が一致したのはその時だった。
「ノート忘れたの?」
名前も知らない斜め後ろの席の人にそう言われた。
その時何の授業だったかは覚えてないけど、
俺はその時、ノートが無くて探している最中だった。
「ルーズリーフ貸そっか?」
そう言って、俺にルーズリーフをくれたのが篠崎だった。
「ありがとう…えっと…」
「篠崎麻奈。よろしくね、原岡くん」
俺が名前を知らなくて困ったのを悟った篠崎が言った。
気配りの効く、観察力のいい人。
それが篠崎の印象だった。
「…篠崎かぁ~。そりゃまた変わった趣味だな」
「は!?」
「好きなんだろ?篠崎のコト」
「いや、そんなコト言ってないし」
「じゃあ何な訳?」
「…かわいいとは思うけど、好きとかじゃなくて…」
変わった趣味だとか笑う拓は、篠崎と小学校時代からの知り合いらしい。
篠崎のコトをいろいろ知っていて、俺に教えてくれた。
「ま、モテるわけ。ぱっと見は美人だからな」
「ぱっと見はって何だよ」
「ちょっと訳アリってコト」
「何それ」
「あいつに振られたサッカー部、3人はいるって噂だし」
「1年の頃、純が振られたよな」
純はサッカー部の中2のキャプテンで、次期部長候補。
背も高いし、運動神経もいいし、恋に積極的。
ほとんど振られたコトのない純のコトを唯一振ったのが篠崎らしい。
「ま、好きな人とかいるのかもな。男子とも仲良いし。
俺なんかより、内田の方が詳しいよ」
「内田…」
ちょうど俺らのいる食堂に内田が来る。
拓が手招きした。
いつもボーっとしてて、授業中は寝てばっか。
なのに成績は良くて、何でも人並み以上にこなす凄い奴。
だけど、俺には篠崎がとてもつまらなそうに見えた。
理由はよく解からないけど。
初めて存在を知ったのは、クラスが一緒になってすぐのコト。
それまでも名前は噂で聞いていたし、
見かけたコトがない訳じゃなかったけど、
顔と名前が一致したのはその時だった。
「ノート忘れたの?」
名前も知らない斜め後ろの席の人にそう言われた。
その時何の授業だったかは覚えてないけど、
俺はその時、ノートが無くて探している最中だった。
「ルーズリーフ貸そっか?」
そう言って、俺にルーズリーフをくれたのが篠崎だった。
「ありがとう…えっと…」
「篠崎麻奈。よろしくね、原岡くん」
俺が名前を知らなくて困ったのを悟った篠崎が言った。
気配りの効く、観察力のいい人。
それが篠崎の印象だった。
「…篠崎かぁ~。そりゃまた変わった趣味だな」
「は!?」
「好きなんだろ?篠崎のコト」
「いや、そんなコト言ってないし」
「じゃあ何な訳?」
「…かわいいとは思うけど、好きとかじゃなくて…」
変わった趣味だとか笑う拓は、篠崎と小学校時代からの知り合いらしい。
篠崎のコトをいろいろ知っていて、俺に教えてくれた。
「ま、モテるわけ。ぱっと見は美人だからな」
「ぱっと見はって何だよ」
「ちょっと訳アリってコト」
「何それ」
「あいつに振られたサッカー部、3人はいるって噂だし」
「1年の頃、純が振られたよな」
純はサッカー部の中2のキャプテンで、次期部長候補。
背も高いし、運動神経もいいし、恋に積極的。
ほとんど振られたコトのない純のコトを唯一振ったのが篠崎らしい。
「ま、好きな人とかいるのかもな。男子とも仲良いし。
俺なんかより、内田の方が詳しいよ」
「内田…」
ちょうど俺らのいる食堂に内田が来る。
拓が手招きした。