翼が変わった。
バカだから無理と諦めてた翼が生き生きした顔で自分の夢を語っている。
「教師になりてーんだ」
だと思った。
翼子供好きだし勉強教えるの上手だもん。
あたしは応援するよ。
「がんばれ」
「おぅ」
話が終わるとあたしの膝に倒れ込んできた。
あたしの膝の上にいる翼の頭を優しく撫でた。
いつもと逆だ。
翼の頭からはシャンプーのいい匂いがしてくる。
「お前は?やりたいことないのか」
「あたしは……ないね。考えたこともない」
翼と一緒にいれるなら何だっていいや。
あたしの人生の基準は翼だからね。
「専業主婦とかいんじゃね。で、一生俺のために働けよ」
はぅ~~~。

